「初一念ノート」の実践方法@
なんくる
なぜ、今、「初一念ノート」なのか?
私は、一昨年度、極度の学級崩壊のため担任が務まらなくなり昨年度、1年間休職しました。その時に精神科の先生からは仕事をすべて忘れて好きな事をしろと言われ、はじめは大変戸惑いました。
それで、試行錯誤の中で、私は、3つの視点で行動することにしました。
1つ目はボランティア活動です。高齢者の傾聴ボランティアに月1回参加しました。
2つ目は、経済的にひっ迫してきたので無料で受講できる地域学習センターの講座にどしどし参加しました。絵本の読み聞かせ講座、古典講座など。
3つ目が平日の女性集談会に参加することにしました。今までは、平日は学校で勤務していたので土日しか休めなかったのですが、平日も空いているので、どん
どん参加して保護者、特に母親の気持ちを理解しようと考えました。そこで、ファミリー集談会、小石川平日集談会、茗荷谷平日集談会、多摩平日集談会、関東
リフレッシュ集談会などに参加しました。とても、勉強になりましたが、その中で小石川平日集談会に参加した時にMさんから初一念ノートを手渡されました。
今度、それを取り組むということで、私は、早速、自分から進んで初一念ノートを書いてみることにしました。
「初一念ノート」は岩田真理さんと竹林耕司さんのお二人の考案されたものです。これは、私たちの普段、沸き起こる純な心があったら小さなメモ帳に記録します。これが初一念ノートです。
私たちは、どうしても、「かくあるべし」を含めた理屈で考えてしまい、思った通りに行動できないと自分を責め続けてしまう癖を持っ
ています。それは、かくあるべしを含めた理屈に偏重しすぎる傾向があるからだと思います。せっかく、自分の良いところを見つけて自己肯定感が湧いてきた
り、何か、心から感動したりしても、すぐに、かくあるべしの理屈が、いつも支配して、そのような自己肯定的な感情をおおいかぶさるようにして、見えなくし
てしまうことがよくありました。だから、理屈からではなく純な心から行動できるようにします。そのために、初一念ノートの取り組みは、一つのきっかけとし
て、とても良かったです。
今年度は、異動して1学期、2学期とくじけそうなことも多々ありましたが、無事終えることができました。3学期も良いスタートを切れて、何とか楽しく子供達と関わることができています。これも初一念ノートの取り組みのおかげでもあります。
初一念をまとめる時のポイントと注意
@ポイント
・理屈ではなく、心の底から浮かんだり感じたりするものです。
・初一念ノートは、小さなメモ帳くらいの大きさにします。
・できたらワイシャツなどの胸ポケットの中に初一念ノートをしのばせて、感じた時に書くと一番新鮮でよいが、状況によってできなければ、ノートにメモか単語だけでもよいと思います。
例えば、「ほおずき」など。これは、自転車に乗って出かけたときにほおずきの実が見えた。私にとっては珍しいと思ったので「ほおずき」とメモをしておいて、後で、「ほおずきがあるとは知らなかった。ふっくらとして触ると気持ちが良かった。」など書けばよいです。
・日付を書いておくと思い出すのに便利です。
A注意
・初一念ノートは、
「あ!すみれだ。」→「きれいだなあ。」とか「こんなところにも咲いているんだ。」で終わってもよいです。むしろ、その方が多いかもしれません。
・ 初一念は「必ず、様々な行動に発展しなければいけない。」ということはありません。私の初一念ノートをご覧になって岩田真理さんが、「初一念に続いて体が 動いているのが良い。」とおっしゃっていただき、うれしかったです。例えば実践事例B「え!紙芝居をやるの!」のチラシでは、感動したからいろいろな行動 に波及していますが、それを目標にしたら、逆に身動きが取れなくなったり、かくあるべしで思想の矛盾に陥ってしまいます。そして、素直な感情がどんどん消 えて行ってしまいます。だから何の価値観もなく心に浮かんだり自然に沸き起こったりするものが初一念です。
・初一念のノートのまとめ方は、人それぞれでよいと思います。特別なまとめ方はなく自分の書きやすい形に書いていくうちに自分のやり方が発見できるようになってきます。
初一念ノートを続けての感想
・ノートがメモ帳くらいの小さいものだったので、書きやすく、すぐ次のページに行くのでいかにも、たくさん書いたなと充実感を感じるものでした。これが、普通のノートの大きさだったら苦痛になると思います。ノートが手帳より小さいノートだから良かったと思います。
・
初一念ノートを書くことによって自分の興味のあることがすごく広がって生活に潤いを持たせられるようになりました。例えば、花屋に、どんな花が置いてある
かとか、こんなところにこんな植物があるのかというように植物全般に興味を持つようになりました。また、うなぎ屋、すっぽん料理や珈琲、日本酒などおいし
い店にも興味を持てるようになりました。
・以前にもまして地域学習センターでは、どんな催し物をやっているかに注目するように
なりました。特に古典の講座に積極的に参加するようになりました。それから、夏目漱石や佐藤春夫、永井荷風などの文学者に興味を持ち、その講座に参加する
ことで文学にも興味を持つようになりました。
・今年になって樋口一葉の「たけくらべ」の朗読を聞いて胸がいっぱいになり、翌週の樋口一葉のゆかりの地の探索も参加して、さらに心が豊かな気分になりました。
・初一念は地位や名誉、様々な実績などとは全く無縁なので、道端の花や落ちているものにも興味が湧くようになって自己肯定感もさらに感じるようになった。その分、症状などに目が行かなくなって日常生活も少しずつスムーズになっていきます。
・初一念ノートは評価の世界とは無縁の関係であるから。「仕事がうまくいった。」「昇進した。」行動目標を達成した。」など、それらのことができなくても自己肯定感は高められます。
もくじ
リンク
調布世田谷集談会ホームページ第一支部ホームページ
生活の発見会ホームページ